「警察官になりたいけど一体どんな仕事するんだろう?」
警察官になりたいと志す人は多いのですが、意外と警察官がどんな仕事をしているのかふと気になる時があるのではないでしょうか?
警察官と言えば交番で勤務していたり、パトカーでパトロールしていたりするなどのイメージがありますが、警察官の仕事はそれだけではありません。
他にも様々な仕事内容があり、同じ警察官でもやっている仕事は全く違うということもあります。
そこで今回は警察官がいったいどんな内容の仕事をしているのか分かりやすくまとめてみました。
警察官の仕事内容は多岐にわたる
警察官の仕事内容は様々です。
交番に勤務する警察官もいれば、刑事として事件の操作を行う警察官もいたり、中には裏方でデスクワークなどの事務作業に徹している警察官もいます。
様々な部署に分かれて仕事をしている警察官ですが、自治体によって人気のある部署もそれぞれです。
前線でバリバリ活躍したいという警察官は刑事として犯人を追ったり、生活安全系の部署で銃器や麻薬の取締をしたりなどの仕事を希望します。
逆に一日でも早く出世したい警察官は、暇が多くて昇任試験の勉強ができる事務系の部署を希望する人も多いです。
警察官は配属される部署によって仕事内容はガラリと変わります。
警察学校に通っているうちに、どこの部署で働きたいかが決まってくるのが普通ですが、入る前にある程度イメーシしておくと試験勉強のモチベーションにも繋がるでしょう。
警察庁と都道府県警察で仕事内容は違う
警察官は日本全国の警察署を取りまとめる警察庁と都道府県によって管轄が分けられた都道府県警察の2つに分けられます。
警察官の仕事内容について軽く触れてきましたが、前述した警察官の仕事内容は全て都道府県警察の仕事内容です。
警察庁は現場で働くわけではなく、警察署を取りまとめるお役所的な仕事をする人たちであり、キャリア組とも呼ばれています。
もしあなたが警察庁長官や警視総監、警視長などのトップレベルの警察官になりたいのであれば、キャリア組の道を登れる国家公務員として警察官を目指すと良いでしょう。
ただ警察官のほとんどは都道府県警察として現場で働いている人であり、約97%を占めています。
おそらくほとんどの人は都道府県警察として現場で働きたいと思っているのではないでしょうか?
そこで今回は都道府県警察の具体的な仕事内容についてまとめてみました。
都道府県警察の具体的な仕事内容
まずは都道府県警察の具体的な仕事内容を6つの部門から紹介していきます。
- 地域警察部門
- 刑事警察部門
- 交通部門
- 生活安全部門
- 警備部門
- 警務部門
似たような名前が多いものの、ガラリと変わる仕事内容です。
それぞれの部門に分かれて働きますが、危険度や仕事の大変さは違います。
地域警察部門
地域警察部門は地域課とも呼ばれており、最も街に住んでいる人に近い仕事と言えるでしょう。
主に交番や駐在所に勤務しており、交番の前に立って警戒している立番や中で書類整理をしている在所勤務などをしています。
都市部や住宅街にある交番だと書類整理の量も増えて忙しいです。
落とし物や迷子、地域に住んでいる住民からの相談など1件受けるたびに書類を作る必要がありますので、書類を作るのに時間が結構取られると言っても過言ではありません。
また地域課として働いている警察官は交番にいるだけではなく、パトカーで担当のエリアをパトロールします。交通指導を行っていたり、少年補導を行っていたりなどの仕事内容です。
もし110番通報があれば、まず先に到着するのも地域課の警察官でしょう。管轄しているエリアにいますので、必然的に到着も早くなります。
直ちに出動して、犯人の逮捕や現場保存などを行うことが多いです。そこから被害者からの事情聴取などの初動対応を迅速かつ的確に行うのも地域課の仕事と言えるでしょう。
刑事警察部門
刑事警察部門はいわゆる刑事課です。
刑事課では3つの係に分かれており、多くの人がイメージするのはよく刑事ドラマでもある殺人事件を担当する強行係でしょう。
強行係では殺人などの他にも強盗や強姦、放火、傷害等の事件を捜査します。
聞き込みや張り込みなどをするのも強行係の人たちです。刑事といえば事件を解決することに注力するイメージがありますが、警察官も公務員ですので、書類作りも行います。
また意外と忘れがちなのは殺人事件現場に駆けつけて死体処理を行うのも強行係です。
死体は毎回違う形をしているので、慣れるまでに時間がかかります。何十体と死体処理をしてようやく慣れるという刑事も多いです。
また強行係とは違って、盗品系に特化して操作する盗犯係と呼ばれる仕事もあります。
自転車やバイクの窃盗や空き巣、ひったくり、置き引きなど盗みに関する捜査をするのが盗犯係です。
殺人事件よりも窃盗に関する事件のほうが多いため、盗犯係になるとほとんど警察署にはいません。捜査ばかりしているので、外に出ることが多い警察官とも言えるでしょう。
ただ仕事が多すぎるせいか休日出勤なども多く、業務量は多いです。
最後に、事件現場で指紋や足跡などを調査して証拠材料を作る仕事をするのが鑑識係です。
写真撮影なども行って事件現場の様子を記録に残す仕事もしています。
細かい仕事が多いので慎重に正確な仕事を求められる仕事と言っても間違いありません。
交通部門
車を運転していてお世話になったことのある人も多いのではないでしょうか?
交通部門で交通指導係と事故捜査係の2つに分かれています。
交通指導係は名前の通り、交通関係を指導するかかりであり、いわゆる交通違反の取締をする係です。
ねずみ取りなんて言葉もありますが、スピード違反で切符を来られた経験のある方も少なくありません。
また俗にいう白バイ隊員が属しているのも交通指導係です。
白バイに乗りたくて警察官になりたい方は交通部門の交通指導係への配属を希望すると良いでしょう。
ただ暴走族の多い自治体などは速度違反をしているのを見つけたら出動しないといけないため、自分が事故にあわないようにすることも大変です。
事故捜査係は交通関係による事故について捜査を行います。
人身事故やひき逃げ・当て逃げ事故の捜査はもちろん、書類の作成なども仕事の1つです。
交通事故を体験した人はわかると思いますが、実際に事故の検証をして記録もしていきます。
生活安全部門
生活安全部門は刑事警察部門と交通部門が扱わない事件やトラブルの処理を行う部門です。
未成年である少年が犯した犯罪を扱う少年係や刑法以外の犯罪であるストーカーやゴミの不法投棄などを扱う生活安全捜査係がイメージしやすいでしょう。
青少年と警察官として関わりたい方は生活安全部門の少年係を目指すと良いでしょう。
少年係はどんな犯罪であろうと、青少年が犯した犯罪はほとんど取り扱いますので、様々な種類の犯罪について知れる分、難しさもあります。
子どもならではの難しさもあって苦労する人も多いですが、だから面白いと感じる人もおり、向き不向きがある部門と言えるでしょう。
生活安全捜査係では少年係の事件と同じように扱う事件の種類が多いため、多忙です。
刑法に触れない犯罪の全てを管轄するため、知識量は当然ながらついてきます。ストーカーやゴミの不法投棄の他にもインターネットの不正アクセスや売春等の風俗犯罪も取り締まるので、扱う事件の種類は様々です。
地域によって内容に差が出る仕事とも言えるでしょう。
警備部門
警備部門は名前の通り警備を仕事とする人たちです。
例えばテロやゲリラなどが起きそうなときは国会や駅、空港などの警備を強化しています。
お祭りやイベントで警備をしているのも警備部門の警察官です。
また警備の中核とも言えるのが治安警備や災害警備を行う機動隊です。
機動隊は体力的に厳しいところがあるため、希望したくない警察官も多いですが、体力や筋力に自信がある人は目指してみるのも良いでしょう。
警務部門
民間企業で言うところの総務部にあたる部署です。
警察組織をバックアップすることをメインに仕事しており、労働環境を整えています。
福利厚生や会計などの警察組織を運営していくにあたって必要な事務作業がメインです。
実際に現場で働くことは少ないため、志望する人も多くありませんが、警察が機能していく上で大切な役割を担っていることはまちがいありません。
ほとんどデスクワークですが、人員が足りないときは応援に駆けつけなければいけない時もあります。
研修を受けることで専門職の仕事内容につける
警察官の仕事内容は様々なものがありますが、希望すればやりたい仕事内容で仕事できるわけではありません。
白バイに乗りたいからと言ってすぐに乗れるわけではないのです。
白バイ隊員の他にも刑事課の鑑識員なども適正があるかどうかを判断されてから、研修を受けることができます。その研修後にようやく配属です。
それぞれの部署によっては、上司からの推薦があるほうが希望した配属先になる可能性も上がりますので、自分のやりたい仕事をするには人間関係も重要になってきます。
そして刑事になるには研修云々よりも日頃の成果が認められて配属となることが多いです。
日々の訓練での努力と結果や日常業務の成果などが認められると刑事課のほうから声をかけてもらえることもあります。
また多忙なので強いストレスに絶えられるかどうかというのも肝心です。
警察官はやりがいのある仕事内容が多い
警察官の仕事内容についてまとめてみましたが、警察官は部門が違うだけで取り扱う仕事もガラリと変わります。
それぞれの仕事でいいところはありますし、同時に悪い所もあるのは事実です。
ただ警察官になることを目標とするよりは、これを機会にどんな内容の仕事をする警察官になりたいのか考えてみるのも良いでしょう。
事件をどんどん解決していきたいのであれば、刑事を目指すのも良いですし、子供と関わりたいのであれば生活安全部門の少年係を目指すのも良いです。
どの仕事もそれぞれのやりがいを持っていますので、やりたい内容に仕事であれば後悔する可能性は小さいでしょう。
自分がどんな将来のビジョンを持って警察官を目指すのか、一度考えてみてから試験勉強を頑張ってみることをおすすめします。