「警察官になりたい!」
「警察官になりたいけどどうすればなれるの?」
警察官は子どもが将来なりたい職業としてもよく挙げられるほど、人気のある職業です。
街の秩序を守り、人のために働く姿に憧れて志す人も多いのではないでしょうか?
今回は警察官になるにはどうすればよいのかまとめてみました。
警察官になりたい人にとって知っておくべき情報をまとめていますので、警察官を志している人は参考にしてみることをおすすめします。
警察官になるには様々な方法がある
「警察官になる!」と言っても、警察官になるには様々な方法があります。
警察官として働くための試験にも種類がありますし、中には特別な試験もあるため、警察官として働き始める方法は人それぞれです。
また警察官への就職の仕方によって、その後の警察官としての生活にも違いがあるため、あなたが警察官としてどのような生活を今後送っていきたいのかも考えてみると良いでしょう。
まず警察官になるには3つの方法があります。
警察官と言っても特別な仕事をするためには就職の仕方に違いがあるため、あなたがなりたい警察官に合わせて警察官への就職の仕方を決めていくことが大切です。
警察官になるには3つの方法がある
- 地方公務員としての警察官
- 国家公務員としてのキャリア組
- 警視庁特別捜査官
警察官は大きく3つに分けられます。仕事内容にも大きく違いが出てきますので、それぞれで警察官になる方法についてまとめてみました。
地方公務員としての警察官
私達が生活の中でよく目にする警察官のほぼ100%は地方公務員としての警察官だと言っても過言ではありません。
交番に勤務していたり、街の中をパトロールしていたりなど現場で働いている警察官はほとんどが地方公務員です。
警察官の約97%は地方公務員として現場で働いています。
現場で警察官として働きたい人は地方公務員の警察官を目指すと良いでしょう。
おそらく警察官を目指している多くの人は地方公務員としての警察官を目指しているのではないでしょうか?
地方公務員としての警察官になるには2つの採用口があり、採用試験は都道府県ごとに受けます。
- 高卒としての区分での採用試験
- 大卒としての区分での採用試験
単純に学歴によって受ける試験の内容が変わっています。初任給は大卒の警察官の方が上ですが、努力次第では高卒の警察官の方が昇進は早いです。
あまり学歴によって給料や待遇が左右されることはありません。警察官は階級で給料も決まりますので、給料が違うのは最初だけです。
いち早く警察官になりたいのであれば、高校を卒業して目指すのも良いですし、大学に行ってゆっくり考えたいのであれば、大学を卒業してから目指すのも良いでしょう。
試験の内容に付いて詳しくは後述しますが、筆記試験や論文、体力テスト、面接などがあります。ちなみに難易度はもちろんですが、大卒のほうが難しいです。
また都道府県によって採用試験を行っていますので、試験日が被らなければ、別の都道府県と併願して受験することもできます。
倍率などは自治体によって違いますので、地元の試験ともう1つ滑り止めで受験する警察官も多いです。
国家公務員としてのキャリア組
警察社会には都道府県の警察署をまとめる「警察庁」と呼ばれる国が管轄している組織があります。
その警察庁に勤める警察官は国家公務員です。
他にも各都道府県の警察署の管理者として働くことが多いため、全国に転勤する可能性があります。
また現場で働くのではなく、指示を出すのが仕事ですので、現場で警察官として働きたい方には不向きです。
また警察官の中でもエリートであり、キャリア組と準キャリア組に分けられます。キャリア組は警部補、準キャリア組は巡査部長から階級がスタートするため、出世も早いのが特徴です。
しかし国家公務員としての警察官になるにはかなり難しく、狭き門だと言っても過言ではありません。
警察官の約97%は地方公務員であることからも明らかです。残りの約3%が国家公務員、さらにキャリア組は約0.1%しかいません。
ちなみにキャリア組として働きたいのであれば「国家公務員総合職試験」を受ける必要があり、準キャリア組として働きたい場合は「国家公務員一般職試験」を受ける必要があります。
大学在学中からコツコツ試験勉強をしても難しいです。国家公務員としての警察官を目指す場合はかなりの努力が必要でしょう。
警視庁特別捜査官
警視庁特別捜査官は警察官になる方法の中でも特別な方法と言えるでしょう。
警視庁特別捜査官は主に3つの捜査官に分かれており、それぞれが特化した内容の仕事をしています。
- 財務捜査官
- 科学捜査官
- サイバー犯罪捜査官
それぞれ専門知識がないと出来ない仕事であり、受験するにも資格や職歴が必要です。
受験資格が厳しいため、受験できる人も限られている採用試験と言えるでしょう。
財務捜査官であれば「税理士または会計士補の資格」と「民間等で5年以上の有用な職歴」の2つを持っているような人が受験します。
科学捜査官やサイバー犯罪捜査官も資格や職歴などの経験がないと受験することが出来ません。
警察側からすると即戦力を求めている採用試験と言えます。
警察官になるには必要な条件がある
警察官になる方法は様々ありますが、それぞれの試験では年齢制限と身体基準が定められています。
ただガチガチに筋肉がないとダメということではなく、身長や体重などが最低限の基準として設けられています。
あなたが基準を満たしているかどうかを受験前にしっかり確認しておいたほうが良いでしょう。
年齢制限
地方公務員としての警察官の年齢制限
地方公務員としての警察官は各都道府県で年齢の上限が違います。
平成26年度の場合だと、高卒区分で一番年齢が低いのは27歳の宮崎県であり、一番年齢が高いのは36歳の兵庫県です。
ちなみに大卒の区分で採用試験を受けると年齢がプラスされている都道府県が多いです。
ただそれでも29~36歳ですので、全体で見ると上限の36際は変わりません。
全体で見ると上限は27~36歳となります。
高卒の場合だと27歳~36歳の間が上限ですので、あなたが受験したい都道府県ごとに調べてみると良いでしょう。
国家公務員としての警察官の年齢制限
キャリア組が受ける「国家公務員総合職試験」と準キャリア組が受ける「国家公務員一般職試験」はどちらも21歳以上30歳未満が年齢制限となっています。
警視庁特別捜査官の年齢制限
警視庁特別捜査官は60歳未満であれば受験することが可能です。
2016年度までは39歳以下でしたが、2017年度から年齢を引き上げて幅広い年齢層で受験できるようになりましたので、年齢がデメリットになることはありません。
一般の地方公務員試験が受けられない年齢の方は、民間企業を退職して警視庁特別捜査官の道に行くことも警察官になれる1つの方法です。
身体基準
地方公務員としての警察官の身体基準
地方公務員としての警察官の場合だと、年齢制限と同じように、都道府県によって身体基準は異なります。
例として挙げますが、採用試験を受ける自治体の募集要項は必ず確認しておきましょう。
男性 | 女性 | |
身長 | 160cm以上 | 155cm以上 |
体重 | 47kg以上 | 45kg以上 |
胸囲 | 78cm以上 | - |
視力 | 両眼とも裸眼視力が0.6以上 または矯正視力が1.0以上 |
両眼とも裸眼視力が0.6以上 または矯正視力が1.0以上 |
色覚 | 正常 | 正常 |
聴力 | 正常 | 正常 |
その他 | 身体に職務遂行上支障のないこと | 身体に職務遂行上支障のないこと |
その他にある「身体に職務遂行上支障のないこと」というのは、仕事ができなくなるぐらい突発的な病気を持っているなどでなければ、大丈夫です。
国家公務員としての警察官の身体基準
「国家公務員総合職試験」と「国家公務員一般職試験」では身体基準はありません。
キャリア組として警察庁に入る警察官は現場仕事ではないため、地方公務員と違って体格などの基準はないです。
何か障害があっても相談次第で受験できます。
警視庁特別捜査官の身体基準
警視庁特別捜査官の場合は視力や色覚などの基本的な基準は設けられています。
視力 | 裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が1.0以上であること |
色覚/聴力 | 警察官としての職務執行に支障がないこと |
疾患 | 警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと |
その他身体の運動機能 | 警察官としての職務執行に支障がないこと |
警視庁特別捜査官も募集要項には身体要件が載っていますが、要するに働ける体であれば問題ありません。
警察官になるには資格や経歴を持っていると有利に働く
警察官の採用試験では資格や経歴を加点対象として扱っている場合があります。
自治体によって違いもあったり、受ける採用試験によっても違いがあったりしますので、一度確認してみると良いでしょう。
柔道や剣道などの武道で段を持っていたり、全国大会出場レベルの大会に出場していたりなどの体力面だけではなく、英語や中国語などの語学や情報処理系の資格なども加点対象となります。
もし資格や経歴を持っている場合は証明書類の提出が必要になりますので、嘘は通じません。東京都の警視庁の場合は原本とコピーが必要になりますので、しっかり準備しておきましょう。
どの段階で提出するのか自治体によって申請方法が変わる可能性もありますので、募集要項をよく確認することをおすすめします。
地方公務員としての警察官採用試験について
警察官の約97%は地方公務員ですので、ほとんどの方は地方公務員としての警察官採用試験を受けるでしょう。
そこで今回は地方公務員としての警察官採用試験について、高卒と大卒でそれぞれまとめてみました。
高卒と大卒で受ける難易度が違うだけで、受ける試験科目はほとんど同じです。
一次試験はどう勉強する?
一次試験は主に筆記です。
選択問題式の教養試験と論文試験の対策が必要となってきます。
都道府県によって出題内容が違うこともありますので、出題する分野に合わせて勉強すると良いです。
まずは過去問を3年分程解いてみて、どの分野が苦手なのかを把握しておきましょう。
その後は過去問を解きつつ、苦手分野の勉強に集中してやります。
どんな試験でも言えることですが、教養試験に関しては「過去問を解きまくる」以上に良い勉強方法はありません。
過去問を解いていくうちに、出題者の意図が読めてくるようになり、どんな問題が出てくるか分かるようになります。
弱点を見つけるためにもまずは過去問です。
Amazonで2,000円くらいあれば購入することができますので、過去問から対策を始めてみてはいかがでしょうか?
論文試験は都道府県によって内容や制限時間、字数制限に違いはありますし、高卒か大卒によっても違いがあります。
あなたの受ける都道府県がどのような内容の論文試験を出題するのか、過去問から傾向を読み取ると良いでしょう。
大卒の場合だと800字のところもあれば1,600字としている都道府県もありますので、どれぐらいの長さの文章を書くのかを把握しておくだけでも違います。
二次試験に向けた対策とは?
二次試験は体力検査と面接がメインとなりますが、大事なのは面接です。
体力検査では最低限の体力があるかどうかを図ることが目的ですので、優れているからと言って合格するわけではありません。
体力よりも警察官としてやっていけるのかなどの人となりを見られます。
秩序やルールに関してもそうですが、何よりもハキハキとした態度が重要とも言えるでしょう。警察官がモゴモゴ話していて何を言っているか分からないようでは務まりません。
ハキハキとした元気の良い態度は最低限必要な要素だと思いましょう。
また目上の知り合いに頼んで面接の練習をしてもらうのも良いでしょう。現職の警察官が知り合いにいれば聞いてみるのも良いです。
自治体によって入室の仕方から違いがありますので、周りの友達や知り合いを探せば親が警察官という人もいるのではないでしょうか?
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざもあります。
採用試験はあなたの社会人生活を左右する大事な試験ですので、まずは周りを探して現職の警察官に面接で大切なことを聞いてみましょう。
現職の警察官も警察官になりたい若い人がお願いすれば進んで教えてくれます。
合格後は警察学校に入学
警察官になるには採用試験を合格しなければいけませんが、合格してすぐに警察官として働くわけではありません。
合格後は研修期間として警察学校に入学することになります。
ちなみに警察学校の在籍期間は高卒で試験を合格した場合は10ヶ月、大卒で試験を受けた場合は6ヶ月です。
警察学校と言っても、中学校や高校とは異なり、地方公務員の警察官として扱われるため、しっかり給料をもらえます。
また学校は全寮制ですので、自宅から通学することはできません。警察学校ではほとんど自由がなく、警察官としての在り方を叩き込まれます。集団行動をしなければいけませんので、協調性も必要です。
そして警察学校を卒業すると、次は職場実習として警察署へ3ヶ月間配属されます。
その後、初任補修科という形で警察学校に戻り、大卒は2ヶ月、高卒は3ヶ月の間は勉強です。
初任補修科を経てようやく警察官となります。
大卒だと15ヶ月、高卒だと21ヶ月かかりますので、1~2年は警察官として働くために経験を積んでいく期間と言えるでしょう。
警察官になるには絶対になりたい気持ちが大切
警察官になるには採用試験の勉強も大切ですが、何より絶対に警察官になりたいという気持ちが大切です。
面接を見れば警察官も見抜きますし、そもそもモチベーションがなければ試験勉強に身が入らないでしょう。
警察官としてどんな仕事をしたいのかを事前に考えておくと、警察官になりたい気持ちも強くなります。
警察官になるには採用試験の勉強とともに、警察官がどういう職業なのかも調べてみることがおすすめです。
国家公務員の試験はかなりの激戦区ですが、9割の警察官は地方公務員ですし、採用試験は勉強次第で合格を狙えます。
警察官になりたい夢がある人は途中で諦めずにしっかり勉強を積み重ねて警察官を目指してみましょう。
最後に警察官になるには必要とする条件が定まっているので、自分が条件を満たして受験資格があるのかもしっかりチェックしたうえで目指していくのが良いです。
たいていの人は大丈夫ですが「自分は受験資格がある」と改めて感じることで試験に向けての気持ちも大きくなります。
警察官は人によって憎まれる仕事でもありますが、大変やりがいのある仕事です。ぜひ頑張ってみてください。