「消防士になりたい!」
消防士になりたい理由は人によって様々ですが、毎年の倍率は高く、消防士は人気のある職業です。
そこで今回は消防士になるにはどうすれば良いのか、学歴や採用試験を受ける必要な条件、試験について詳しくまとめてみました。
消防士になるには?
消防士になるのは簡単ではありません。
自治体によっても異なりますが、倍率が10倍を超えることも多いです。
ただ比較的簡単に消防士へなれる道もあります。
消防士になる道は様々ですので、あなたにあった道を選ぶとよいでしょう。
必要な学歴や試験内容についてもまとめていますので参考にしてみてください。
※自治体によって異なるところもあります。
消防士になりたいと思っても、あなたの状況によって試験も変わるところがありますので、よくチェックしておくべきです。
消防士になるには学歴によって試験が変わる?
まず消防士になるにはある程度の学歴が必要と言っても過言ではありません。基本的には受ける試験によって目安となる難易度が設定されています。
■Ⅰ類(大卒)
■Ⅱ類(短大卒程度)
■Ⅲ類(高卒程度)
※東京都消防庁を参考
他の自治体ではⅠ類とⅡ類の2種類のみに分けられることもあり、短大卒と高卒が一緒にⅡ類を受けることも多いです。
また試験内容はⅠ類のほうが難しくなっており、()内に記載した学歴程度の問題が出題されます。
ただ東京都消防庁の場合だと専門系以外は学歴に関係なく受けることができますので、基本的には受けたい所を受けると良いでしょう。
初任給で比べても
専門系 > Ⅰ類 > Ⅱ類 > Ⅲ類
このように専門系の方が高くなっていますし、スタートする階級にも違いはあります。
一般的にはⅢ類よりⅠ類の方が出世しやすいとも言えるでしょう。
ただ学歴に制限のある専門系を受けない限りは、Ⅰ類でもⅢ類でも就職後に受ける昇進試験次第で階級や給料も変わってきます。消防士はそれほど学歴が関係ないとも言える自治体も多いため、それほど気にすることはありません。
あなたが受けられる試験を受けると良いでしょう。どの試験を受けるのが良いかは後述する「年齢制限」のところで触れます。
Ⅰ類Ⅱ類などの試験を受ける区分の詳細は自治体によって異なりますので、あなたの受ける地域のホームページなどで募集要項を確認しておくと良いでしょう。
消防官になるための採用試験を受けるために必要な条件
年齢制限
消防士は採用試験ごとに年齢制限を設定しています。
■Ⅰ類 :22歳以上30歳未満の大学卒業者
■Ⅱ類 :20歳以上30歳未満
■Ⅲ類 :18歳以上22歳未満
※東京都消防庁を参考
基本的にストレートで学校を進学・卒業していった場合、大卒が専門系かⅠ類、短大卒がⅡ類、高卒がⅢ類を受ける事が多くなることは明白です。
ただし「高卒で民間を2年勤め上げた後、20歳になった時にⅡ類を受ける」ことは可能ではあります。
ただⅡ類の採用人数は基本的に少ないため、倍率はかなり高くなります。
高卒で消防士になるのであれば、わざわざⅡ類を受けるまで待たなくてもⅢ類を受けておいたほうが合格のしやすさ、試験の難易度的にも確実です。
東京都の場合は専門系やⅠ類は大卒、Ⅱ類は短大卒や中途採用者向け、Ⅲ類は高卒向けと把握しておけば問題ありません。
また東京都消防庁は複雑ですが、他の都道府県では大卒程度か高卒程度の2種類にわけられているところが多いため、迷うことはほとんどありません。年齢制限はほぼ必ずありますので、自分が受けられるかどうかはチェックしておきましょう。
「消防士は若い人材のほうが採用されやすい?」
といった質問を多く見かけることがありますが、年齢制限内であればあまり関係ありません。
ただ高卒が最終学歴だとⅢ類を受けられるのは若いうちだけですので、その意味では有利と言えるでしょう。
同じⅡ類で若い方が有利ということはありませんので、私見を受けれる年齢であれば、あまり気にする必要はないです。
身体基準
消防士は体力的にかなり過酷な仕事ですので、身体能力がある程度ないと採用してもらえません。
一定の身体能力をクリアしておかなければ、試験を受けることができませんので、試験を受ける前に自分が消防官採用試験を受験可能かどうか事前にチェックしておくべきです。
■体重・・・・50kg以上 (45kg以上)
■胸囲・・・・身長の概ね1/2以上
■聴力・・・・正常であること
■肺活量・・・3,000cc以上(2,500cc以上)
■視力・・・・裸眼視力が両眼で0.7以上かつ一眼で0.3以上
※()内は女性 ※東京都消防庁を参考
肺活量は極端に体が弱くない場合は3,000cc以上ある人が多いため、あまり心配する必要はないでしょう。
老人でも身長が160cmあれば3,000ccの数値は出ると言われています。
消防士になるには1次と2次の試験に合格する
大体の自治体で消防士になるには1次試験と2次試験に合格する必要があります。
1次試験が筆記試験などの一般常識の試験。
2次試験が体力検査や面接。
多くの自治体ではこのように分けているところが多いです。
消防官採用試験の1次試験について
自治体によって細かいところに差はありますが、今回は平成29年度に行われた東京都の採用試験を参考例として紹介します。
1次試験は筆記試験がメインです。
■論(作)文試験
■適性検査
※東京都の1次試験を参考
教養試験はⅠ類が大卒程度、Ⅱ類が短大卒程度、Ⅲ類が高卒程度の筆記試験です。
5つの選択肢から1つを選ぶ選択形式の問題が45問出ます。
国・数・英・理・社から満遍なく出ますので、幅広く勉強しておくと良いでしょう。
まずは具体的にどんな問題が出るのか過去問を解いてみることをおすすめします。
消防士の倍率はどの自治体でも10倍を超えるほどの激戦区ですので、出題された問題は全て解けるようにしておきましょう。
論作文試験は800次以上1200字程度です。1時間30分ありますので教養試験対策と同時に進めておくと良いでしょう。こちらも過去問でどういう問題が出るのか要チェックです。
また適性検査は点数を出すというよりも、消防士として最低限の適性があるかどうかをチェックするだけですので、対策の必要はありません。
消防官採用試験の2次試験について
2次試験では体力的な検査がメインになります。
■口述試験
※東京都の2次試験を参考
身体検査では前述した身体基準を満たしているかどうかをチェックするだけですので、基本的に加点はないと見て良いでしょう。
基準を達していればパスできます。
体力検査では1km走、反復横跳び、上体起こし、立ち幅とび、長座体前屈、握力、腕立て伏せによるテストです。
自治体によってはシャトルランがあったり、懸垂があったりなどもしますので、体力検査の項目は事前にしっかり確認しておきましょう。
消防士採用試験の体力検査ではいくら1つのことが得意でも、ほとんどできない項目があるとその時点で不合格になる場合があります。
つまり腕立て伏せや上体起こしが秀でてても、1km走が極端に悪ければ落ちることもあるのです。
苦手な項目がある場合は、そちらを重点的にトレーニングしておくほうが良いでしょう。
口述試験は面接です。志望動機ぐらいはしっかり言えるようにしておきましょう。また面接における所作なども基本的なことですので、入室の仕方や座るタイミングなどの所作も改めて確認しておいたほうが良いです。
消防士になるまでの簡単な流れ
ここまでの流れでおよそ掴んでいるとは思いますが、消防士は採用試験に合格したらすぐに消防士になれるわけではありません。
そこで消防士になるまでの簡単な流れをまとめてみました。
①受験申し込み
②1次試験
③2次試験
④最終合格⇒採用決定
⑤消防学校に入学
⑥自治体内の各消防署に配属
試験に合格したら消防学校に入学し、消防士として必要な教育を受けてから消防署に配属されます。
消防学校での過ごし方は自治体によって異なりますが、約半年の間は消防学校で過ごすことが多いです。
平日は基本的に寮生活で過ごすため、自分のことは自分でしなければいけません。寮生活が始まれば、基本的な家事は嫌でも覚えますのであまり気にする必要はないでしょう。
最初は馴染ずに辛いかもしれませんが、同期のみんなと仲良くなっていくうちに楽しくなってくるはずです。
まずは倍率が高い採用試験の合格を目指して頑張りましょう。
消防士になるために有利な学部はある?
消防士は大卒の人を募集しているため、できるだけ有利な学部に入りたいと感じる人も少なくありません。
ただ東京都の専門系で受験するならともかく、他の自治体では大卒であればどこの大学でも同じです。
中には体育大で体を鍛えやすい環境に身を置く人もいますが、体育大だからと言って試験で優遇されることはありません。
トレーニングや試験勉強はどの大学に行ってもできますので、興味のあるところに行ってみると良いでしょう。
強いて言うのであれば、文系であまり専門的な勉強が忙しくない学部に身をおいておいたほうが良いくらいです。
やはり公務員試験の勉強やトレーニングのできる自由な時間が多い学部が僅かに有利かもしれません。
消防士になった後の事も考える
消防士になるにはかなり倍率の高い試験の合格を目指さないといけなかったり、人によっては筋力トレーニングに力を入れたりしなければいけないため、消防士になるだけでも大変です。
ただ消防士になることを目標とするのもよいのですが、消防士になったあとのこともしっかり考えておきましょう。
あなたが消防士になったらどんな消防士になりたいのか、消防士の中でもどういう仕事がしたいのかを考えておくだけでも面接対策になりますし、何より試験対策中のモチベーションアップにも繋がります。
消防士は消防学校を卒業した後に消防署へ配置された後辞める人も一定数いるのは事実です。
体育会系のノリが強いので、かなりの無茶振りをしてくる先輩も多く、仕事に対するストレスもそうですが、人間関係に関するストレスも多いので、消防士になるのであれば、ストレス耐性についても考えておくと良いでしょう。
ただ消防士は本当にやりがいのある仕事です。地域の人を守るためには欠かせない仕事なのは事実ですし、子どもからしたらヒーローとも言えるでしょう。
「消防士になる!」という目標と共に「どんな消防士になりたいのか」を考えて、試験対策を頑張ってください。