独身男性が結婚したい女性の職業として、ここ数年間ナンバーワンの人気職業は保育士です。
いつも小さな子供と笑顔で接する姿が微笑ましく、明るくて頑張り屋さんで、きっとよい奥さんになってくれるだろうと思っている独身男性は多い事でしょう。
ですが、実際に保育士の方々がどのような仕事をしているのか?勤務状態はどうか?
毎日忙しいのだろうか?といった具体的な事を知っている方は少ないでしょう。
そこで、今回は保育士の仕事内容や勤務状況などについて詳しく説明していきます。
保育士の仕事内容を簡単に説明すると...
保育士のお仕事はかなり複雑で、細かな作業もたくさん行います。
単にお子さんの面倒を見ているだけのように見られがちですが、ひとりひとりの園児の様子をしっかりと見て、その子の成長に役立つアドバイスもしなければなりません。
園児の人生に関わる仕事ですので、傍で見るよりはずっと難しい仕事ですし、その分責任が要求される職場です。
具体的な仕事内容を上げますと、まず園児の食育があります。好き嫌いの激しい年頃ですから、ちゃんとバランスよく食べる習慣や、食事のマナーなどにも気を遣います。
お昼寝の時間もたいへんで、大人しく寝ない子や泣いてしまう子、寝相が悪くて布団を蹴ってしまう子などなど、寝ている間も目が離せません。また着替えや手洗い、歯磨きなどの生活習慣も教えなければいけないのです。ですから子供の身の回りのお世話は何でもします。
園内では集団生活のルールを教え、かつ遊びながら楽しく学習するためのカリキュラムを組んでいます。
そして保護者に対して定期的に園内生活の報告をする事も重要な仕事ですし、それに従って適切なアドバイスもしていきます。もちろん保護者からのクレームもありますので、その対応も大変です。
地域との良好な関係を作るためにイベントを行ったり、野外活動もプログラムします。この様に、1日中やるべき仕事が山積になっているのが保育士の仕事です。
保育士の仕事時間はどのくらい?
保育士の勤務形態についてチェックしてみますと、まず保育園は朝8時前から開園していて、しかもお仕事をしている保護者の方が迎えに来るまでの6時・7時あたりまで営業しています。
つまり12時間近くも仕事をしていることになるのです。労働基準法では一日のシフトは8時間と制限されていて、それ以上は基本勤務にする事ができません。
つまり10時間も11時間も定時勤務ができないようになっています。そこで、ほとんどの保育園では早番・中番・遅番のシフトを組むなどしてやり繰りをしています。
一般的なシフトの例としては、早番が7時30分~16時30分、中番が8時30分~17時30分、そして遅番が9時30分~子ども全員が帰るまでのシフト設定です。
ただし、保育士の仕事は残業が付き物で、閉園後に日報をまとめたり、保護者への便りを作ったり、イベントの準備なども定期的に行います。
休日は土曜日・日曜日・祝日の週休2日制が基本ですが、土曜日・日曜日に開園している保育園もあるため、場合によっては平日休みになるかもしれません。
フルタイムの保育士の場合はこの様なシフトになりますが、人材不足の著しい保育士業界ですから、非常勤の契約社員という雇用もたくさんあります。
特に忙しい時間帯や、人手の少ない時間帯だけをピンポイントでヘルプするパートシフトで働く保育士さんも多いのです。そういった場合は1日2~4時間程度、週に2,3日でもOKになります。
保育士の1日のスケジュールはどんな感じ?
保育士の方の1日は次の様な感じで進んでいきます。
まず朝は、早番のシフトであれば7時半前に出勤して、開園の準備です。
仕事着に着替えたらすぐに園内の掃除や空気の入れ替えを行います。この衛生管理は保育士の重要な役割です。
そして、その日のスケジュール確認をしてから朝礼を行い、開園をして子どもたちを迎え入れます。
みんな揃ったら朝の挨拶と出席をとって、それから体操で体をほぐして、午前中のプログラムです。お昼になったら、食事の前に手をキレイに洗うように指導して、うがいも忘れずに行います。
保育士の先生は園児たちと一緒にお昼ご飯を頂いて、昼食はお休み時間ではなく食育の時間になります。食後はみんなで片付けをして、歯を磨きます。そしてトイレなどを済ませ、お昼寝の時間です。
ただし、すぐに寝ない子や歩き回ったり遊んだりする園児もいますから、先生は絵本を読んだり、子守唄を歌ったり、添い寝したりしてお昼寝をさせる仕事があるものです。みんな寝静まったら、書類作成をしながら園児の様子を見守ります。午後は大抵自由に遊ぶ時間で、ちょっとしたスポーツをする事もあります。
そして保護者の方が迎えに来るのも待ち、迎えに来た保護者に連絡帳やお便りを配ります。
あとは園内の掃除・片付け・戸締まりをして、1日の勤務は終わりです。
仕事時間以外もやることがあるので大変
園児が帰宅した後、つまり閉演時間の後にもすべき仕事がたくさんあります。
あるデータによりますと、平均4時間前後の残業が毎日のように行われているとのことです。
例えば、何か問題のある園児の保護者の方が相談に残る事もありますし、ちょっとミスをすれば保護者達からクレームが殺到する場合もあり、その対応に追われる事もあります。
そういった事態にならなくても、日常の仕事として、その日1日の日報の作成があります。
また保護者へ向けた連絡帳の記入やお便りの作成をしたり、おけいこやお勉強の準備も欠かせません。さらにイベントの前には準備で大忙しとなるでしょう。
こういった作業はなかなか勤務時間内にできませんので、残業は必然となってしまいます。
仕事量が多い時は、残った仕事を自宅に持ち帰るケースも珍しくはありません。これだけのハードワークを毎日行っているのが保育士の方々の現状です。
私立と公立で保育士の仕事内容は違うの?
公立保育園の保育士は公務員雇用となるために、民間の保育師とは仕事内容や勤務形態が異なります。
公立保育園は8時~20時が勤務時間で、まずサービス残業はありません。
この辺は地方公務員と同じです。統計によりますと、公立保育園の勤務は週50時間未満となっています。
延長保育のニーズにより、保育時間の延長をするケースもあるのですが、その分早番や遅番の時間をずらしたり、正職員だけで対応しきれないところはパート職員を増やすなどの対応を採っていますので、勤務時間が長くなる事はあまりありません。
公立保育園への就職・再就職希望者数が多い理由は、民間保育園よりも保育サービスが限定されているからです。
民間の場合は資本主義の原理から競争が激しくなる傾向があって、ついサービス過剰になり、その分保育士への負担が増える事になります。
一方で公立の場合は余裕を持った働き方ができる職場体制を確保していて、働きやすさの面では公立保育園の方が人気は高いのです。
保育士として働くために必要な心構え
保育士は小さな子供たちの見本となるように、社会人としての人格を身につけている必要があります。
そして弱い立場の子供に豊かな愛情を注ぐ心の豊かさも求められるでしょう。その点では、ほとんどの保育士の方は心優しく、責任感も強い頑張り屋さんだと言えます。この点がお嫁さんにしたいナンバーワンの職業たる由縁でしょう。
複数の園児を公平に見るようにし、それぞれの子供の成長を傍らで見守りながら、必要なサポートするのが役割です。小さな園児たちの心のよりどころとなる包容力も要求されます。それから園児たちの衛生管理として、まずは自分自身が清潔感を保つのも大事です。保護者への印象もありますので、信頼されるように身だしなみを整えるべきでしょう。
さらに園内でのチームワークを大事にする気持ちも持っておかなければいけません。仕事内容の複雑さや難しさから、一人でなにもかも対応する事が難しいからです。仲間の先生と力を併せて、初めて良い保育ができる事を理解しておくもの保育士の心構えです。
保育士の仕事は大変だがやりがいは大きい
保育士にとって幼い子供たちの成長する姿を、母親の目線で見守っていく事は大きなやりがいでしょう。
また本気で自分に慕ってくる澄んだ瞳に囲まれる生活も素敵と言えます。社会の中では人間関係が複雑すぎて、心を許せる状況は多くありません。
ですが保育園の中では純粋な心で接してくる子供に囲まれて、逆に励まされるという保育士の方も多いのです。給料が安くても、重労働で心身ともに擦り切れる毎日でも、そのやりがいが貴重だと保育士の方々は言っています。
いくら高給でもやりがいのない仕事を続けるのと、保育士でやりたい仕事をするのとで、自分がどういう人生を歩みたいかで、保育士になるかどうかを考えてみるのも良いでしょう。